[BBC] イスラエル、囚人解放の可能性を否定
[BBC] イスラエル、囚人解放の可能性を否定
Original Article: BBC News
Israel rules out prisoner release
Monday, 26 June 2006, 22:38 GMT 23:38 UK
http://news.bbc.co.uk/2/hi/middle_east/5119402.stm
イスラエル首相、ユード・オルメルトは、誘拐されたイスラエル兵の情報と引き換えにパレスチナ人囚人たちの解放を拒否した。
首相の発言は武装グループの要求に対するもので、武装グループはギラド・シャリトの情報と引き換えにイスラエルの収容所から女性と子供たちを解放するよう求めていた。
同様の要求をしていた武装グループは複数あり、その中にはパレスチナ武装与党のハマスも含まれていた。
オルメルト首相は、日曜日にガザで起きた衝突で捕われた兵士(タンカーの砲手)を救出するために軍事行動を取る可能性も示唆した。
ハマスの政治指導者たちは捕虜となったイスラエル兵の居場所に関する情報を同党は得ていないと説明し、犯行グループが捕虜に危害を加えないよう呼びかけている。
迫る時間切れ
オルメルト首相は、シャリト伍長救出のためのパレスチナの武装グループに対する軍事行動の準備を進めており、イスラエル軍のタンカーと装甲車がガザ地区境界へ集結している。
「パレスチナ囚人の解放はイスラエル政府にとって問題外だ」とオルメルト首相はエルサレムで行ったスピーチで述べた。日曜に武装グループの捕虜となったイスラエル兵は19歳。「交渉、取引、合意の可能性は皆無だ」と、オルメルト首相は強調し、「イスラエルはハマスのテロによる脅迫に屈するつもりはない」と「大規模な軍事行動を近く取る」と警告した。「イスラエルは近く断固とした措置をとることになる。指をくわえて待ち続けるつもりはない」と首相は続けた。
シャリト伍長は、ガザを抜け出しケレム・シャロム軍事基地を襲った武装グループに捕われていると見られている。同襲撃によってイスラエル兵2名と武装グループのメンバー2名が死亡した。
外交努力
ファックスで届けられた囚人解放の要求は、人民抵抗委員会傘下の団体、ハマスの「イゼディン・アル・カサム組織」と、無名の「イスラム軍」の署名が入っていた。書面には、「占領者は、以下の要求に応えぬ限り行方不明となった兵に関する情報を得る事はないだろう。」として次のように書かれていた。
1.収容所に捕われた女性達の即時解放
2.収容所に捕われた18歳以下の子供たちの即時解放
イスラエルに投獄された収容所内の9000名に及ぶパレスチナ囚人の内、およそ100名が女性で300名は18歳以下であると思われる。ガザ地区内のエジプト代表団による仲介など、兵の失踪以来熱心な外交努力が続いている。このことに関しては犯行グループも要求書の中で「仲介努力と多機関からの介入を受けて」と言及している。要求書に署名された三つの組織のいずれか自身がシャリト伍長の身柄を拘束しているのかどうかは確認されていない。
イスラエルの政府関係者は、パレスチナ自治政府のモハマド・アッバス代表とハマスのイズマイル・ハニヤ首相に19歳のシャリト伍長の安全を確保する責任があると述べている。特派員からの報告では、今回の誘拐事件がハマスに国家としてのイスラエルを明確に認知させる計画を台無しにし、ハマスの現実主義的な層と強固派との乖離を広げる可能性もあるとのことである。